汁を染みこませるんだ! ~落書きメモ~

汁を染みこませるんだ! ~落書きメモ~ (2代目)

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音MADでお金は稼げるのか?クリエイター奨励プログラム利用の一例

※2021/12/25追記
著作権ちゃんと勉強してない頃の俺が書いた記事なので、ところどころ何か「何言ってんの?」みたいな記述ありますが、そのままにしてあります。鵜呑みにせず、話半分に読んでください。

 

この記事は「音MAD Advent Calendar 2018」の25日目に参加しています。

この記事を開いてる方々で用語がわからない状況は考えにくいですが、念の為解説の載っている大百科記事を貼っておきます・
音系MAD - ニコ百
クリエイター奨励プログラム - ニコ百



どうも、koichilです。知らない人は大百科記事を見て下さい。

音MAD作者のイオンさんから「音MADアドベントカレンダーやるんだけどkoichilさんも記事書かない?音MAD関連ならテーマは何でもいいので」と頼まれたので、じゃあせっかくだからこのテーマとこの日付で良い?と半分冗談で返したら何故か「テーマ的にもラストが相応しい」とか言われたのでそのまま通ってしまいました。

というわけで、タイトル通りなんですがniconicoの「クリエイター奨励プログラム」を使い、果たして音MADで金儲けはできるのか?とかいうどう考えても一部の人達から袋叩きに遭いそうなテーマで書かせていただきます。時間ないからそんな詳しく書かないけど。
ラストがこれで良いのか本当に。イオンさんのセンスを疑い始めてます。


はじめに(長い)

動画サイト「niconico」には「クリエイター奨励プログラム」という仕組みがあります。これはniconicoにアップロードした投稿した自身の動画でプログラムの審査が通れば再生数やマイリスト数に応じて「クリエイター奨励スコア」というポイントを与えるという物。
この「クリエイター奨励スコア」は条件を満たせばなんと、現金に変換する事ができます。別の選択肢としてniconico内で使用できる「ニコニコポイント」にも変換できますが、これで電子書籍や動画とかも買えるので人によっては実質現金みたいなもんです。

その名の通り、多くのクリエイターを金銭面で奨励するための仕組みなのですが、これは普段動画を投稿してない人でもわかる通り一般的には「ボーカロイド楽曲」だったり、あくまで投稿者のオリジナル作品等を想定した物とされています。
なので他人の著作物を利用した動画、そう例えば「MAD動画」「音MAD」みたいなのは想定されていないはずです。普通なら権利侵害してる物がほとんどなので申請したその瞬間に運営によって取り下げられるし、そもそも「音MADで金儲けとか考えられない」「アングラでひっそりやるべきの物でそんな事すんな」とか言われるに決まってますよね。実際、昔からそういった言説はよく見るし、今でも検索してみると引っかかります。

しかし、よく考えてみて下さい。
そもそも何故音MAD等で利益を得てはいけないと考えられているのか?やっている事は権利者に黙認を一部もらっているような同人活動とあまり変わらないのではないか?同じく原盤映像を利用しているのに収益化が権利者からも認められやすい「ゲーム実況動画」との違いは何なのか?権利者が営利目的の二次利用を認めている素材に関してはどうなのか?
挙げるとキリはないですが、実は結構一概に「ひょっとして音MADで収益化しても良いのでは?」と思える要素はなくもなかったりします。

権利面を抜きにして「じゃあMADにはアングラであって欲しいからやめて欲しいという点はどうなの?」というのも例えばストリートギャング文化から発展したとされるヒップホップミュージックなどが現在では一般的な音楽ジャンルとして大衆の物になったのと一緒で、新しいミュージックビデオの形式として「音MAD」はアングラから脱する余地は個人的にあるとは思っています。
事実、最近では企業が音MADの手法を用いた映像をCMや作品中に利用するケースも増えてきました。中には元々非公式でニコ動に投稿されたMAD動画が実際に権利元の手によって発掘されCMにて特別放映されるケースまで…。

~参考~
音MAD繁栄のためのプロセス 副題:何故『音MAD』は『実況プレイ』になれなかったか
公式の音MADっぽい動画をまとめてみました

余談ですが、ニコ動運営の方と個人的にお話をした事があり「何故MAD動画はゲーム実況と違いニコ動であまり表立って扱われないのか?」という旨の質問をしたのですがその返答は「いずれも運営からではなく、ゲーム実況者達自らが進んでこちらに話を持ちかけてきた流れを土台に今の状況になった。一方でMAD文化からはそれが少ない。」という物でした。やはり文化の根っこの問題と性格の問題はあるかもしれない。

2018年12月30日追記→今思い出したんですけど、ニコ動運営の方に聞いたのはゲーム実況ではなく「歌ってみた・踊ってみた」でした(ひどいミス
まぁそうじゃないのもありますが第三者の著作物を二次利用してる点では変わらないので言いたい事はほぼ一緒です。

個人的な考えとしてはそう考えていますが、別に「音MADにはこうであって欲しい」という考えは個人個人で違う物であり、それぞれ尊重されるべき物だと思います。
なので本記事で別に「こうだから音MADで稼ぐのは何ら問題ない!」「やっぱり音MADでお金を稼ぐべきではない」みたいな話をするわけではないという事はご理解下さい。

というわけで本題の「音MADでお金は稼げるのか?」という点ですが、この記事執筆者本人が昔から自作音MAD動画をクリエイター奨励プログラムに登録してたので、そのデータを載せるという形になります。
一見すると「は?お前自作MADで金稼いでたのか?」と思われるかもしれませんが、別にこれ隠してたというわけではなく、当初からニコ動のプロフィールやTwitterで「自作動画はクリエイター奨励プログラムに登録をしている」と言及はしていましたし、一部の結果も載せていたりはしていました(言い訳)
今回の目玉は、流石の俺も表に載せるのは滅茶苦茶躊躇う某音MAD動画で累計で一体どれぐらい稼げたのかという点もまとめるって所です。サンプル少ないけど。



データを載せる前に…

よくありがちな勘違い(また長い)


たまにっていうか普通によく見かけるんですが「MAD動画は違法」という言説があります。
著作権についてよくわからない内は致し方なく俺も著作権に興味を持ち上級の資格(…というより検定)を取得するまで勘違いしていた事なのではありますが、厳密に言えば「ほとんどのMAD動画は権利侵害」が最も事実に近いのではないかと感じます。

クリエイター奨励プログラムは著作権を侵害してるかどうかというよりプログラム自体やニコ動運営の基準で審査が通るかどうか決定されている節があるので、ここでややこしい著作権の話はしません。
ですが、一応理解を広めるためにも「違法」と「権利侵害」の違いを簡単に…。

まず、例えば音MADを制作し動画サイトにアップロードしたからといって直ちに「違法」となるとは限りません。「違法」、つまり法に反する事をしでかすわけなので「著作権法に反してるじゃないか」と思われるかもしれませんが、著作権法はそもそも「著作者の権利を必要に応じて保護することによって文化を発展させる事」が目的の「著作権の範囲と内容について定めている」日本の法律です。
つまり著作権法は「著作物に関する○○といった行為を禁止しているルール集」ではなく「権利者が自身の著作物を保護するためにどんな権利を行使できるのか集」で、それも権利を保護する事ではなくあくまで文化を発展させる事が目的とされています。

なので音MADを動画サイトにアップロードし、それを権利者が知った所で侵害された権利を持って公訴が行われない限りは「違法」とはかなり言い辛いわけです。
(極端な話、同人文化や一般的な二次創作文化があまり違法扱いされ辛いのと一緒ですね)

もちろん権利者の権利は侵害されてる事には変わりはないため「権利侵害」なのは同じですし、親告罪に当たる行為も「告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪」とされている以上は犯罪ではあります。つまり音MAD作者はやはり犯罪者。

そもそもの話、そろそろ始まるとされるTPP協定による「著作権非親告罪化」も二次創作に当たるとされる著作物に関しては親告罪のままになるとされているわけで、そこまで「違法」と括ってしまうとある意味では日本という国家が違法行為を間接的に助長していると捉える事ができてしまいます。だからこそ「著作権法」の目的は決して「権利侵害している著作物を摘発するため」ではないのです。あくまで黙認されている権利侵害物も含め、文化の発展に寄与する事が目的とされているのです。

…と色々言ってますが、別に俺は法律の専門家でも何でもないし、著作権に関しては結構思想が偏ってるので「ん?」ってなった人は各自で勉強するなり調べてみて下さい(投げ)
とりあえず言いたいのは、権利を侵害されたからといってそれを行使する権利を持っているのはその権利者だけで行使するかしないかも権利者しか決められないというのを覚えておいて下さい。
(もちろんそうじゃないのもあるけどね)

~参考~
著作権非親告罪化についての解説



koichilが今まで登録して通ったクリエイター奨励プログラム登録作品

(やっとだよ…)





任天堂素材(音声)×任天堂素材(動画)の例。
任天堂は前々から特定の自社コンテンツを利用した動画ならクリエイター奨励プログラムの申請に対して「許諾」を出すという姿勢を見せていました。
もちろんそれはゲーム実況動画を想定しての利用方法だとは思うんですが、もちろん任天堂の素材しか使っていない音MAD動画も対象なのでは…?と思い申請してみたら普通に通った一例。
これからみんなもハンマーMADでお金を稼ごう!



…まぁ数字が低すぎて小遣い稼ぎにもならねえけどな!!!!!!!!!!

ちなみに任天堂の著作物利用のガイドラインは最近制定されて、この一例に挙げた動画時点で存在してた「任天堂が動画に対して営利の許諾を出す」というのはなくなりました。
その代わり今後は「クリエイター奨励プログラムといった指定のプログラムに限り、権利侵害された動画に対して処置は行わない&営利目的の二次利用を認める」という形に。
最大の違いとして「許諾」を出さなくなったという点があります。なので「権利侵害」のままになってしまいますね。それでも任天堂の審査がいらなくなったのでより稼ぎやすくなったと言えるのでは?
なのでこのガイドライン後のデータはまだ持ってないです、すみません。多分大体同じだと思う。

~参考~
ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン









任天堂素材(音声)x東方Project素材(音声・動画)×任天堂素材(動画)の例。
これも数字は低いですが、通りました。東方Projectに関しては版権元である上海アリス幻樂団がクリエイター奨励プログラム登録用の動画を出しているのでそれに伴ってだと思います。


ただしこれは任天堂と違って「許諾」を出しているわけではありません。つまり権利侵害はされたままという扱いにはなりますが、同人のガイドライン内に含まれてるって事なんだろうか。







そして…





…何故通ったのか俺にもわからん。面白半分で登録した覚えがあります。
この動画はおかげ様でかなり伸びた音MADなので7年間の累計とはいえ、「音MADで10万円も稼いだ」という事実を残してしまった珍作です。なんか怖いので俺は現金には一度も変換した事はないけど…。

通った原因として色々考えられますが、一番は動画素材に限って言えば"ほぼ"パブリックドメイン、つまり著作権切れしている素材から持ってきているからでしょうか。
でも音声とかはそうじゃない最近のディズニー作品から持ってきてる物もあるので、それに関しては運営の基準がガバガバとしか言いようがないかも。

原曲はボーカロイド楽曲ですが、これに関してはオリジナルがニコ動に投稿された物でちゃんと親作品に設定しているので問題なし…?詳しくは調べてませんが、ニコ動に動画を投稿する時点でクリエイター奨励プログラムや他のniconicoサービス(大百科の動画貼り付け等)に利用されるという規約に同意したとみなされたり多分そういうアレ関係なんじゃないかと思う。
この動画で発生したスコアは親作品の動画にも一部行くはずですしね、音楽素材元が損する事はない。





というわけで、見てくださってありがとうございました。
ぶっちゃけこれを公開するのを躊躇って一部の人以外には黙ってたんですが、今回これを公開してしまったので音信不通になったらそういう事だと思って下さい。





結論:音MADで金儲けはできる