汁を染みこませるんだ! ~落書きメモ~

汁を染みこませるんだ! ~落書きメモ~ (2代目)

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発掘の終着点?幻のアニメ『星の子ポロン』『ガンとゴン』ベースとなる全貌がついに判明【22/01/22】


Q.まず『星の子ポロン』とは?
A.ザックリ言うとこういう超展開のカルトアニメとよく言われてるらしい作品です。
(大百科記事リンク)


ケフィアさんに新たに作っていただきました


▲人気エピソード集めた動画

未解明の情報があまりにも膨大なため、『星の子ポロン』が好きな一部ファンによって盛んに研究活動や関連放送が行われています。


 

お久しぶりです…前回の記事から1年半振り?うん、多分それぐらい経ってる…。

 

さて、ポロ生でも紹介がされたと思いますが…『星の子ポロン』や『ガンとゴン』といった時報アニメに関しましてですね…とんでもないものが発掘されてしまいましたので、今回は主にそれらをご紹介させていただきたいなと思っています。正直、まとめきれるかどうか心配なぐらいに情報量がめっちゃ多いです。

今回判明した情報は、前々から様々な要因で「推測」という形で既に存在していた事項が多いです。ですが、今回それが「確証」に変わるような事態が起きたので、調査している身としては、『星の子ポロン』『ガンとゴン』発掘の根本がある意味では覆されてしまうといった感じです。そこまでハードル上げる!?

 

本題に入る前に1件、告知をさせてください。わりと大事なので。

既にご存知の方もいると思いますが、俺がちょうど6年前から不定期に書き始めた「星の子ポロンを発掘しよう」シリーズ(ポロン以外の記事含む)は、ニコニコのユーザーブロマガサービス終了に伴い、先日このはてなブログに移転が行われました。

本当は別で運営しているブログの方に移転させても良かったんですが、あちらは運用方針も別なのと、やっぱりポロマガは同一のブログにまとまってた方が優しいだろうということもあるし、今回から新しく書く記事もそうですがこちらにまとめることにしています。

詳細は「当ブログについて」のページをご参照ください。

8181chttest.hatenablog.com

それに伴いですが、今回からシリーズとしての「星の子ポロンを発掘しよう」は終了させていただきます。本来なら今回が「20」とキリが良い数字になるんですが、ナンバリングじゃなくなるってことですね。

理由は色々ありますが、一番はナンバリングが付いてると、『星の子ポロン』などを後から知った方々にとって記事を読むハードルが高まってしまうのではないか、という点です。

今回で言えば例えば『星の子ポロンを発掘しよう20』にしてしまうと、多分「01~19も読んでおいた方が良いのか!?」となってしまうと考えたからです。俺としてはどこから読んでも良いように書いてますが、そう受け取られてしまうと結構大変だなぁ、と思ったわけですね。

というわけで、今回から記事タイトル含めて1本で完結するように努めます。一応、時系列がわかるように日付だけは残しておきますけどね。

 


 

ごめんなさい、本題前のアレコレは短く終わらせるつもりだったのだが…悪い癖だ。

とりあえず、色々書いていきます~。わりとどこから書けば良いのか悩むのだが…。

 

目次の見出し、なんでそんなフワフワしてるんだよ。

『星の子ポロン』はナックアニメだった…!?

煽り見出しです。騙されないでください。まぁでも結構近いです。

一応既知の情報ではありますが、ちゃんとまとめておきましょう。

 

まずナックアニメとはなんぞやというところからですが、『チャージマン研!』という超展開によりネットで人気を得た昔のアニメがありまして…いやこれ説明いるのか?もういいやニコニコ大百科に説明投げる!

dic.nicovideo.jp

まぁ要するに『星の子ポロン』は『チャージマン研!』との共通点が多いことから、一部コミュニティやMAD動画でまるでナックアニメかのように扱われていることが多い、という空気だけ理解していただければ、と思います。

実際、調査の過程で本当にナックアニメのスタッフが関わっていることが判明したりしたので、わりと半分本気で、半分冗談のように囁かされていました。

 

しかし2021年5月、その常識がいきなり覆されてしまった。

チャージマン研!』を製作したICHI社(旧ナック)が近年ではネット上での活動や、二次展開を積極的に行っていることは、ナックアニメファンの中では記憶に新しいだろうか。

今ではYouTubeの公式チャンネルでナックアニメを無料配信するなど、とてもありがたい現況なのではないかと思います。ニコニコでもライブ公開(プレミア公開と同じ機能)とかやってくれ。

www.youtube.com

さてさて、そんなICHI社ですが実はその他にもTikTokInstagramでナック作品に絡めた展開を行っているのはご存知だろうか。俺はコミュニティの在処が主にニコニコとTwitterなので、あまりよく知らなかった…。

 

で、実はInstagramではナック作品の貴重な資料が多数公開されています。その中には1967年のナック創業時の会社のパンフレットも公開されており、発起人一覧から当時のアニメ業界の繋がりなどを知ることができる貴重な情報が掲載されているんです…ですが…。

 

 
 
 
 
 
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さて、2枚目の画像…専務取締役の一覧に注目していただきたい。

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https://www.instagram.com/p/CLV5TBUna4e/ より

「鈴木元章」

見覚えがないだろうか…?少なくとも俺は何度も目にした名前だ…。

そう、『星の子ポロン』などを製作した時報映画社の設立者である。

hoshinokoporon.wiki.fc2.com

詳しいことは全くわからない。わからないが…ナックの設立に時報映画社の初代取締役が関わっていた。その事実だけで頭を殴られてしまった…!そんなことがあって良いのか!?

 

 

時報映画社の鈴木元章氏がナックの設立に関わり、その後、時報映画社は『星の子ポロン』や『ガンとゴン』、ナックは『チャージマン研!』などの作品を生み出した。

つまり…『星の子ポロン』と『チャージマン研!(もちろんその他の作品も)は、実質的に腹違いの姉妹作ということになってしまうのではないだろうか…!?ならないか?いやなった方が面白いんだけど…。

 

かつての『チャージマン研!』ブームの最中、似た超展開アニメとしてまるでナックアニメかのようにチャー研MADなどでも使われるようになった『星の子ポロン』。

大量発掘された2016年には『星の子ポロン』のシロクマ君と『アストロガンガー』を合わせた「アストロガンガン」シリーズも生まれたり、『星の子ポロン』をナックアニメと勘違いしてしまう方々も散見されたり、『星の子ポロン』とナックアニメはほぼ一方的に切っても切れない関係であった。

dic.nicovideo.jp

 

それがまさか、今になって本当に『星の子ポロン』が精神的なナックアニメだということが判明してしまうとは…。「精神的」って言葉、便利ですね!

いやまぁでも『星の子ポロン』と『チャージマン研!』って放送年どころか放送日まで全く一緒の「1974年4月1日」なんですよね。これはもう姉妹どころじゃないですよ。双子じゃないですか!?違う?あぁそうですか…。

 

それはさておき、ナックと鈴木元章氏の関係については、もうちょっと掘り下げたいところではあります。

事実として時報アニメの制作にはナックアニメにも携わったスタッフが多く存在することから、制作の発注先などにも両者で関わり合いがありそうですね。

 

新たに『星の子ポロン』制作スタッフと接触!?

製作ではなく、制作。つまり、アニメーションその物を作り上げた方々との接触です。

実は接触するのは初ではなく、4年前には『星の子ポロン』の原画を担当された高倉建夫さん、1年半前には同じく原画を担当されていた鈴木孝夫さんに直接お話を伺うことに成功していました。

ほぼ50年前のアニメですよ?その当時の制作スタッフの方々と接触できるのは、それはもう大変ありがたいことです…。

 

『星の子ポロン』『ガンとゴン』そして『ゼンちゃんツーちゃん』の制作を時報映画社から承ったのが「スタジオ・パサ」*1だというのは、2年半前に判明しました。

8181chttest.hatenablog.com

鈴木孝夫さんはここに所属して、時には師匠である高倉建夫さんにも依頼を行いながら『星の子ポロン』の制作を行ったのですね。

 

そして今回、新たにパサに当時所属していたスタッフの方とコンタクトを取ることに成功した…いや、今回に限って言えばあちらからコンタクトが取られたが正しいかもしれない…。

 

仕事中にいつも通りスマホTwitterを見てる最中の出来事だったのだが…*2俺の『星の子ポロン』関連のツイートに1件のリプライが届いたのである。衝撃の文章と画像と共に。

 

↓それがこちら↓

 

………正直に言おう。まだ仕事中なので勘弁していただきたかった。

仕事中にこんな情報量が凄まじいリプライをされて、俺はパニクってしまった…。

一体どんな気持ちでこの「嬉しい悲鳴」を処理すれば良かったんだよ!?

 

50年前のアニメである『星の子ポロン』を当時制作していたスタッフの方がTwitterをされていて(←マジで!?)、しかも俺のツイートにたどり着いたということなのか!!!!???こんなことがあるのか!!!!????

感動してるのはこちらなのだが??????????

 

しかもこの画像はまさか…4年ほど前に存在が明らかになった『星の子ポロン』のフライヤーでは!!!!!!?????

 

フライヤーと言ったらアレですよ…要するに時報映画社が『星の子ポロン』という番組をテレビ局に売るために使っていた広告用チラシってことですよね!!???

本来であれば門外不出の貴重な資料、一生かかってもお目にかかれないと思っていた…まさか…まさか本当に見れる日が来るなんて…。

てかOPの謎ポーズのポロン、それ本当に決めポーズ(?)みたいな感じだったんだ…。

 

というわけで、仕事の合間を縫ってDMで、ふ~みん.Kさんに当時について詳細をお伺いさせていただきました。

以下、判明した情報含め、箇条書きでまとめてみます。

 

■ふ~みん.Kさんは1950年生まれで、グラフィックデザインの仕事を目的にデザイン学校を卒業後、株式会社パサに入社。1973年5月1日とのこと。
(データ原口さんによると、『星の子ポロン』の撮影は1973年の年末から翌年3月くらいまでに集中的に行われていたという→情報元)

■パサはコマーシャルフィルム制作会社として募集をかけていたが、恐らくこの時点で『星の子ポロン』の制作が決まっており、それに携われる女性が欲しかったのではないかと思われる。

■『星の子ポロン』完成後、色々あってパサは五反田に移転。ふ~みん.Kさん含む複数名は残ったが、スタッフもその時に散り散りになり、ふ~みん.Kさんもパサをやめた。
(鈴木孝夫さんは作品制作当時は五反田のパサに勤めていたと証言)

■当時のパサの社員は6人。
①桑島東輝さん
パサの代表取締役を務めた。
鈴木孝夫さんは30代で亡くなられたと証言されていましたが、ふ~みん.Kさんによれば亡くなられたのは50歳の頃とのこと。

hoshinokoporon.wiki.fc2.com②長嶋哲夫さん
ポロンの制作・進行を担当。今で言えば主任か部長ポジションとのこと。
実はこの方ともコンタクトが取れ、お話を伺ったのだが、詳細は後述する。
③カサハラさん
漫画家志望で主に動画を描いていたとのこと。
ジャンプに1度だけ作品が載り、その後は一般企業に就職したそう。
調査により、月刊少年ジャンプで『あくたれ小僧』を掲載していた笠原茂さんではないかという憶測が。口の描き方が『星の子ポロン』の所謂「紙芝居シリーズ」に登場するキャラクターと酷似していたり、木の塀の背景などがポロンっぽいという声も研究班で上がっていました。

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月刊少年ジャンプ1973年1月号より

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月刊少年ジャンプ1973年1月号より

画像はTATUさん(@tatu_zihou)からいただきました。ありがとうございます!
『星の子ポロン』の制作現場は最後は何でもありだったそうなので、もしかしたらこのカサハラさんが動画以外も描いてた可能性もありそう。
④中里あい子さん
先輩女性で主に背景を描いていたとのこと。

実は以前にも研究班の間で話題に上がっており、どうやら鈴木孝夫さんが設立したスタジオマンモスに所属していたようだ。
なお、「水まくなの巻」に登場する「中里」との関連性は依然として不明。

hoshinokoporon.wiki.fc2.com⑤⑥ふ~みん.Kさんと、入社が同期の”おふじ“
なんでも家…雑用全般を担当されていたそうです。
おふじは一番若くて、パワフルで豪快でサッパリしていて気遣いもできる方だったとのこと。

■制作に携わった他スタッフ
鈴木孝夫さん
スタジオマンモス設立者。
以前のアポでご本人に既に確認が取られていますが、やはり原画を担当されていたそうです。

hoshinokoporon.wiki.fc2.com②坂井さん
鈴木さんのスタッフとして動画を描いていたとのこと。
間違いなく、坂井文雄さんのことと思われる。

hoshinokoporon.wiki.fc2.com③絵コンテ担当(名前思い出せず)
鈴木さんが他の仕事も受けていたので、この方にもお願いしていたそう。
「可愛い方のポロンはこの方の作画」とのことで、鈴木さんとの繋がりから恐らく高倉建夫さんのことと思われる。

hoshinokoporon.wiki.fc2.com④撮影担当(名前思い出せず)
「当時、週刊プレイボーイとか何かのグラビア写真も撮っていた」「パサからの依頼で制作していた」とのこと。
服部正行さんではないか?と質問したところ「多分、服部さんだと思います」との返答でした。

hoshinokoporon.wiki.fc2.com

■パサ退社後も当時の制作スタッフとは交流があった。

■『星の子ポロン』のラッシュまでは長嶋さんが行っていたが、フィルムの編集自体は築地にあるスタジオにお願いしていた。

■「交通ルールを子供たちに守ってもらおう」と、時報映画社が警察と企画したものだと思われるが、この話を誰が考えたかは謎。
(鈴木孝夫さんは、当時の時報映画社は警察から映画制作の依頼を請けて作る代理店だったと証言)

■『星の子ポロン』の制作には携わっていたが、1974年4月当時は関東では放送されていなかったため、スタッフ一同、本編を実際に観たことはなかった。

■『星の子ポロン』の脚本などは入社前から作られていたとのこと。
→撮影は1973年末から行われてたそうなので、実制作期間はもうちょっと長い?

■『ガンとゴン』はふ~みんさんの入社前に作られた。

■当時のパサは東京都品川区荏原1-20-9(中原街道を少し入ったところ)の4階建て?マンションの4階の角の一室にあり、『星の子ポロン』はここで制作された。
→マンションに入るのはNGだが、聖地巡礼できるのかしら…?

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2DKのマンション一室(描いてくださったみたいです、ありがとうございます!)

■脚本→絵コンテ→原画→動画→セル画→セルに色付け→背景とセル画を組み合わせ1コマずつ撮影→ストーリーに沿ってフィルムになったものをラッシュ→放送用のフィルムに仕上げ→声優による吹き替え、こういった形で放送用の1話が作られたとのこと。
毎日が忙しかったそうです(本当に現場が大変だったんだろうな、というのは本編を見てひしひしと感じる…)

■当時のスタッフは20代と若者が多く、みんな夢中で『星の子ポロン』を創っていた。
→2016年以降に『星の子ポロン』に夢中になった人達も大体それぐらいの年代が多いと見ているので、俺はシンパシーを感じてしまう…。

■その他、研究班で調べたスタジオ・パサ情報と経緯(調べたのは2年前です)
つきさん(@Inmay_writer)が1974年当時の五反田周辺の地図を調べていたところ「(株)パーサ」なる会社を発見したため(よく見つかったな…)、俺(koichil)が登記簿を取得し、パサが1973年4月27日に設立されたことが判明。
会社の解散は1979年12月2日と登記されているが、それより前に活動停止しているかもしれないとの情報も。
その後、スタッフの一人である長嶋哲夫さんとコンタクトが取れ、新情報が判明。
・パサの名称はPAS(Pro Adventure Staff)から来ている?
・原版や資料はパサではなく時報映画社に保管されていた。
などなど…(TATUさんがわかりやすくまとめてくださいました、ありがとうございます!)

時報映画社関連では、前田憲二さんについてこういった情報も判明しておりました。

 

ふ~みん.Kさんや『星の子ポロン』の制作現場の詳細、長嶋さんから始まるパサ調査などについては以上。

本来であれば我々が知る手段すらない幾多の情報、そして作品への愛をご教示いただきました。本当に…本当にありがとうございます…!

何より『星の子ポロン』の制作はふ~みん.Kさんにとって楽しく、良い思い出だったということも知りました。寝泊まりが必要なほど、現場は中々ハードだったそうですが、こうして作られた作品が今の我々にとって楽しく、愛溢れる活動などに繋がっていると考えると、本当に…本当に嬉しいですねこれ…うん…。

 

ちなみにどういった経緯で俺のツイートにたどり着いたのかもお伺いしました。
娘さんと昔携わった『星の子ポロン』の話題になり、娘さんが検索したところポロンがいつの間にかとんでもないことになっていることが判明し、関連ツイートにリプライをお送りになられたとのこと。
昔にも娘さんと検索したことがあり、その時はアニメの存在だけ出てきて感動したところに、今回の再検索でビックリされたそうです。2016年の前と後では一変しすぎて、そりゃ驚きますよね…。

 

なお、今回のコンタクトなどを受け、ふ~みん.Kさんが『星の子ポロン』制作当時のことを綴る掲示板を開設しました。

情報や質問なども受け付けているそうなので、気になった方は是非、お送りしていただければ…!何か新しく判明した場合は追記することがあるかもです。いやマジで頭が上がらねえ…!

blog.goo.ne.jp

そう、頭が上がらない。本当に上がらないんです。次のトピックをご紹介します。ヤバイです。

 

『星の子ポロン』の基本情報・全貌が判明!?

ふ~みん.Kさんが俺のツイートへリプライをお送りくださった際に、『星の子ポロン』のフライヤーを添付してくださったのは上述しました。

 

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連絡先が書いてあるので、俺はてっきりこの内容だけで時報映画社は「穴埋め番組欲しい局は連絡くださいね♪」ぐらいのノリだったのかな、いやこれだけじゃどんなアニメなのかわからないだろ…と思い込んでたんですが…。

 

DMでふ~みん.Kさんにご連絡をさせていただいた直後に、とんでもない画像を添付してくださいました。そう、フライヤーには続きがあったのです。

 

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…どう例えれば良いんでしょうか。わからない…わからないけど、間違いなくこれは『星の子ポロン』のアカシックレコードだということは確実だ。

 

や…ヤバすぎる…。夢を見ているのか!!!????夢だよな!!!????

いやもしかしたら『星の子ポロン』の本編しか知らない方にはヤバさが伝わり辛いのかもしれないんだけど…アレなんですよ…『星の子ポロン』とかいうアニメってあまりにも実在性がフワフワしてるというか、権利元は倒産してるし、発掘されてる映像は有志の方々が録画していたものだし、公式サイトもない。というか「公式」が存在しない。

 

故に『星の子ポロン』って「公式の情報」が今まで一切存在しない作品だったんですよね。1988年に時報映画社の証言を元に『星の子ポロン』などの情報が掲載された『TVアニメ25年史』が正真正銘、唯一の情報源とも言える存在なのではあるが、二次的に編集された情報ということもあり、その公式ソースとも言える「根源」…一次情報は確かめようがなかったわけです。

 

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徳間書店『TVアニメ25年史』より

我々は発掘された174話分の『星の子ポロン』を見てなお、ポロンが一体どういった意図で制作されたのか、ポロンとはどういう存在なのか、第1話はどのエピソードなのか、そもそも「全260本」とあるが1本2話あるこの作品の場合はどう解釈したら良いのか、フワフワしすぎてわからないことばかり。

 

それが今こうして、ついに…公式の一次ソースとも言える情報にたどり着くことができた…!なんということだ…。ポロンもうフワフワ浮かんでええわ降りろ!!!!!!

 

さて、このフライヤー画像で様々なことが確定したし、新たに判明した事実もあります。憶測も混じっていますが、とりあえず列挙してみようかと。多分、俺らが気づいてないだけで、他にも色々ありそう。

 

■『星の子ポロン』は子供たちへ向けた情操教育アニメ

何をイマサラタウンと言われるかもしれないが、実は『星の子ポロン』がそういう意図で制作されたという客観的な一次情報はこれまで存在しなかった。
『TVアニメ25年史』の関連する記述でも「教育的なテーマがある」「交通安全に絡めた」とは書かれてはいるが、これは当時に作品を見た執筆者の方による所見である可能性もあり、さらに言ってしまえば番組のターゲット層も不確定だったと言える。
事実として、明らかに子供向けというよりは親御さん向けにしか見えないエピソードも少なからず存在するため、今回のフライヤーの「企画意図」でその点が明確になったというのは非常に大きい。

■短縮版『星の子ポロン』の存在と、確定した話数
現在発掘されている『星の子ポロン』は「構成」の項目にある「5分番組用」のものが全てだ。2分30秒というあまりにも限られた尺の中で、OP・EDに20秒使い、約1分の本編をそれぞれ2話分ぶちこんでるため、とんでもない超展開になっているのはあまりにも有名。
それとは別に「4分番組用」の構成が存在することが判明してしまった。どうやらOPは我々の知っているものより若干短く、AパートBパートという概念が存在しないため1話分しか積め込まれていないらしい。それでも1話1分の超展開は変わらない。
元々、番組と番組の間に挟む穴埋め用ミニ番組としてテレビ局にフィルムが販売されていたと予想されていたが、2パターンの構成をセールスポイントにしていたということは、それが裏付けられたと言ってもいいのだろうか。
というか、1分のみの本編は恐らく内容自体に変化はないのだろうが、若干だけ短縮されているOPなどは我々が見たことない構成の映像のはずなので、余計に謎が増えてしまった…。
さらにこれまで『星の子ポロン』の存在するエピソード数としては「130本260話」なのか「260本520話」なのか、実は曖昧で「発掘の終着点」がわからない状態だった。
フライヤーを見る限りでは、どうやら後者で確定のようであり、この記事執筆時点で発掘されたエピソード数は174話なので、単純に考えればあと346話分の未知のエピソードが存在することとなる。地獄か?
途中まで作っただけで実は520話ないのでは?とも考えられるが、これまでのスタッフの証言から全てを完成させてからテレビ局に売りに出すと考えるのが自然なのではないかと思うし、業界に詳しい方からも売る(貸す)目的であれば全話完成していないといけないとご教示いただいた。
というか、仮に途中までしか作ってないならフライヤーのセールスポイントとして未完成の状態の数字を推しだすのは、リスキーすぎないか…?というところもあるんだよね…。ちなみにどうでもいいけど、『星の子ポロン』は24番目に話数が多い日本のTVアニメらしい(Wikipedia情報)
ともかく『星の子ポロン』の映像発掘の終着点はこれで定まった。ここまで多すぎるなら、いっそ知らない方が幸せだったのかもしれない。でもこれは…本当に520話分発掘できたら…歴史の教科書に載りますよ!!!!!!『星の子ポロン』は必修科目!!!!!

■『TVアニメ25年史』の『星の子ポロン』はこのフライヤーを元に書かれた
どうやらフライヤーの「制作内容」を要約し、作品のあらすじを書いたようだ。
『星の子ポロン』の舞台が森、ポロンの円盤といった情報が確かに存在する。
と、同時に「ポロンが宇宙の彼方から来た宇宙人の子供」というのはフライヤーに書かれていないので、果たしてこれがどこから来た記述なのかというのが大分引っかかる。
執筆を担当した方が「円盤」のワードから独自に表現したのか、当時の時報映画社スタッフがそう証言していたのか、それともたまたま見た映像の中にそれらしきエピソードがあったのか。うむむ気になる…。

■『星の子ポロン』第1話が確定?
直接そう明言されていないものの「制作内容」の項目に描かれているエピソードはどう見ても、『星の子ポロン』の記念すべき発掘1本目のAパートであり、仮にフライヤーに書くほどの基本エピソードとするなら(なんでよりによってこんな意味不明な回にしたの)「信号機が皆、青になっちゃった!の巻」が第1話となる可能性が非常に高い。「その1」は正真正銘、本当に「その1」で全ての始まりだったのではないか。

www.nicovideo.jpただ、実際の本編には「ペンキ屋の狼君」は登場しないし、ポロンも別に円盤に乗って登場しないので、このフライヤーの内容は実制作より前に書かれたものと思われる。事実、番組用フライヤーに書かれている内容は企画書の写しということもよくあるそうだ。

■描かれているキャラクターは初期エピソード?
「制作内容」の項目には本編に登場するキャラクターが描かれているが、いずれも見慣れたものだ。
①「弾丸滑降の巻」のヌヒィ
②「弾丸滑降の巻」のキツネ君とウサギ君
③「ブー吉宙づりの巻」のオオカミ
④「チビパンダの大雪ダルマの巻」のポロン
フライヤーがもし早めに作られたのだとすれば、これらのエピソードは初期に作られた回なのだろうか。少なくとも、作品のセールスポイントとして、そして作品の雰囲気を簡潔に伝えられるエピソードからキャラクターが選ばれていると思われる。弾丸滑降はやめておいた方が良いのでは。

■未知のサブタイトル判明
「内容の一部」の項目には25つのサブタイトルが掲載されている。
見慣れたサブタイトルもあれば、全く知らないサブタイトルも存在しており、正直これ単体でも情報価値が大きすぎる…。
ただし、フライヤーに掲載されているサブタイトルから実際の本編は変更されている可能性は否定できないので、要注意だ。
記事執筆時点で発掘されていないエピソードは以下の通り。発掘済みの本編通りであれば、後に「の巻」が続くだろう。
①テーブルマナー落第
②キケンな積木遊び
③ダブダブ服でスカイダイビング
④ブレーキのきかない自転車
⑤バスから手を出したモン太君
ダンボール箱にかくれたピョン吉
⑦危ない工事現場
⑧テレビ見すぎ
⑨いたずらブー助大やけど
海上は危険がいっぱい
⑪カラス悪太郎の左側通行
⑫二人乗りはあぶないヨ
⑬通学路を帰ろう
⑭シャボン玉大騒動
⑮お風呂屋騒動
⑯よけいなお手伝い
⑰グライダーの冒険
発掘済みエピソードの中には、これらと内容が被ってそうな回もチラホラあるが、まぁ『星の子ポロン』ではテーマや教訓の使い回しはよくあることなので、多分異なる内容のエピソードなのだろう…。
余談だが、フライヤーに掲載されている既知のエピソードと未知のエピソード(8本:17本)、記事執筆時点での既知のエピソードと未知のエピソード(174本:346本)の割合はほぼ一緒だったりする。掲載エピソードのチョイスがもし無作為で偏りがないのであれば、本当に520話あると裏付けできるかもしれないのだが、掲載されている既知エピソードはいずれもクオリティが安定している回なので微妙かもしれない。

時報映画社のロゴ?
フライヤーの最後に四角い大量の枠に囲まれて「時報」の文字。
初めて見るが、ロゴ的な何かなんだろうか。それともフライヤー用に用意した何かなんだろうか。真相わからず…。

■スタッフ情報がない!
『TVアニメ25年史』の記述は一体どこから…。

 

さて、このフライヤーに関しては以上である。いかがだっただろうか。

『星の子ポロン』の客観的な資料がまさか発掘されるとは思わなかったが、それ以上に約50年前のアニメのフライヤーをここまで状態良く保管していたふ~みん.Kさんには、本当に頭が上がらない…。俺もうそれしか言えないのか…。

 

とりあえず~…今回はこれで以上!いや~情報量凄まじかったな~~~~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふ~みん.Kさん「ガンとゴンもあったのでスキャンして送りますね」

 

(俺、そろそろ死ぬのか?)

 

まさかの「姉妹作」全貌も判明!?

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「メンスッタフ」←これ流行らせたい。

はい、はい…うん…まさかのですね…『ガンとゴン』はパサ入社前の制作作品だったはずでは…お持ちになられている…お持ちになられていた…。頭が上がらなさすぎて、このままでは腰が使い物にならなくなる。

 

『星の子ポロン』のみ知っている方々もいらっしゃるでしょうから、一応簡単に説明すると『ガンとゴン』は同じく時報映画社が製作したミニ番組です。
調査により1971年の初放送が確認されており、いわば『星の子ポロン』の姉妹作とも言える面白アニメなんですね。

dic.nicovideo.jp

色々言いたいことが山程あるんですが、記事執筆してる俺の脳内酸素が死にかけているので、ちゃちゃっと判明情報をまとめちゃいます。

 

■ガンとゴンの体色が違う?
発掘された映像で確認できるガンはオレンジ、ゴンは真っ黒なのが特徴だが、フライヤーに掲載されている彼らはそこが全く異なるという謎。ポケモンの色違いみてえだな。
もしかすると、パイロット版のスチル写真だったりするのかもしれない…?

■やはり『TVアニメ25年史』は元にしている

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徳間書店『TVアニメ25年史』より

フライヤー初出のキャラクター設定としては、ガンが寂しがり屋という点か。これは二次創作が盛んな『ガンとゴン』にとっては重大情報なんじゃないだろうか。
そういえば「空中戦」ラストでは、自分から離れようとするゴンに一生懸命呼びかけていましたね…。
作品の解説からは、アメリカ西部が主な舞台っぽい記述も見受けられる。地球上のあらゆる所に現れるというのは「香港の夜」というサブタイトルなども確認されていることから確かだろう。

■複数のセミレギュラーが存在する
スチル写真を見る限り、鼻高がオリジンフォルムと判明してしまったラーラ(インデアンの女の子)はやはり長編における主要人物っぽい。
「空中戦」に登場したネズミらしきキャラクターもスチル写真に描かれているが、彼もセミレギュラーだったのだろうかオ、ォオオ゛オォオ゛オォオ゛ォオォ゛オ゛オ!

■全260話…あるのか?
『星の子ポロン』のフライヤーと同様、全話完成させていない状態で本数を記載しているとは考えにくい…が、実は『ガンとゴン』が260話放送されたケースは現時点では確認されていないという。全話完成していることを前提にするのであれば、局が放送を打ち切ったせいで全く陽の目を浴びなかったエピソードが存在する可能性も考えてしまう。

 

■アニメーシヨンギヤングマンガ映画らしい
ギャングアニメだったんだ…。まぁ敵を轢いたり、エゲツない処刑しようとしてたり、色々あったからな確かに…。

■スタッフ情報が記載
ここが重要ポイント。
『TVアニメ25年史』記載の『星の子ポロン』と『ガンとゴン』はどちらもスタッフ情報が同一の物になっているのは有名だが(有名か?)、『ガンとゴン』のフライヤーにはそれがあって『星の子ポロン』のフライヤーにはそれがないのである…。『星の子ポロン』の項目で疑問として上述しましたね。
『ガンとゴン』はふ~みん.Kさんが入社する前に制作されていた作品であることもあり、『星の子ポロン』と『ガンとゴン』の制作スタッフは必ずしも一致するとは限らない。
そのため、これまで『星の子ポロン』の脚本を担当したと思われる大貫哲義さんや村山節子さんが実際は携わったのが『ガンとゴン』のみで『星の子ポロン』には携わっていない可能性も今では考えられるのではないだろうか。

■サブタイトル
過去の調査で新聞の番組表から『ガンとゴン』のサブタイトルの多くが判明していたが、フライヤーに改めてサブタイトルが掲載されているため(全てではないみたいだが…)、これまで誤字脱字だと思われていたサブタイトルへ確証が取れたと言っていいだろう。例えば「ドラキュラ現わる」は番組表では「ドキュラー現わる」と記載されていてしまった。

hoshinokoporon.wiki.fc2.comまた、地味にエピソード順(制作順?)も判明。どうやらおなじみの「金貨とダイナマイト」「帰ってきた金貨の袋」は第1話と第2話のようだ。この回だけアニメーションがやたらヌルヌル動いてるのも、パイロット版を兼ねていたからでは、みたいな考察も上がっていた。
ラーラ編の正しい順番も判明しているのは大きいだろう。
そして、未知のサブタイトルの存在も確認された。ありがたいことに、ましおさん(@Mashi_Oh)がまとめてくださったので、表記揺れなどを除いたものを列挙してみる。
・第11話「ころがりこんだ賞金」
・第13話「仕組んだ罠」
・第14話「おかしなレース」
・第17話「夢の百万長者」
・第44話「待伏せ」
・第45話「囮作戦」
・第51話「眠るのが最高」
・第52話「笑って泣いて」
・第53話「ガンとあいつ」
・第54話「出たとこ勝負」
・第55話「明日のゴン」
・第56話「ハイウエーパトロール中」
・第57話「円盤の出現」
・第58話「狙われた月の石」
・第59話「ガンの八つあたり」
・第60話「光る目」
・第61話「窓に立つ影」
・第62話「名ダイバーガン」
・第63話「マルタ島の宝」
・第64話「水中の闘い」
・第65話「黒い珊瑚」
・第66話「不思議な魚」
・第67話「さらば、ナポリの灯よ」
・第68話「無人の船」
・第69話「ユリシーズ号の宝物」
・第70話「深海の謎」
・第71話「片目の魚」
・第72話「海の墓場」
・第73話「復讐」
・第74話「大空の闘い」
・第75話「鮮血の翼」
・第76話「攻撃命令」
・第77話「朝日は昇る」
・第78話「ライオン台地の要塞」
・第79話「男の友情」
・第88話「リズム合戦」
・第97話「ゴンのアルバイト」
実際はわかり辛い表記揺れによる被りサブタイトルもあるはずなので、一概には言えないが、これで『ガンとゴン』でサブタイトルが判明したエピソードは150本~160本ぐらいになるはずだ。

 

『ガンとゴン』のフライヤーに関しては以上である。

すまん情報過多すぎて、もうなんか語彙力失ってるんだよな明らかに…。新判明サブタイトルとかその辺含めて、本来なら単独で1記事書けたり、1日中話題にできるぐらいのインパクトあるんだが、俺はもう『星の子ポロン』のフライヤーだけでも頭がパンクしかけてるので、後は皆さんの考察や語りに委ねたい…よろしくお願いします…!

 

ちなみに、時報映画社のアニメ作品のフライヤーとしてはプロトタイプ版星の子ポロンとも言われている『ゼンちゃんツーちゃん』も存在し、とある情報筋によれば『ツーちゃんといっしょにみよう!』と『やっちゃんと火星の子』もフライヤーが存在するという。
3作品とも8mmフィルム版もあるらしい。

 


 

ハァ…ハァ…もう…もうないよな…?これ以上のまとめるべき情報…。いやなんかもうこんな嬉しさと悲鳴が両立することないって本当…。

とにかく…とにかくですね…!ふ~みん.Kさんや長嶋さん、貴重な資料や情報の提供、また質問への回答などに、心の底から深く…深く感謝を申し上げます。

一生かかってもたどり着けないと思ってたラインにここまで早く到達できたのは、本当に奇跡的です。

こちらとしては『星の子ポロン』への愛を聞き、またお伝えすることもできたのを喜ばしく思います。

また、今回のまとめに関して、調査や情報整理をしてくださった調査班の皆様にも、普段からの感謝も含めてお伝えしたいところです。本当にありがとうごさいました!!!!!!!!!!!ていうかわりと俺ほとんど何もしてねえ!!!!!!!いつものことだけど!!!!!

 

togetter.com

『星の子ポロン』『ガンとゴン』のさらなる発掘を願って、今回はここまでとさせていただきます。

引き続き、情報提供などを求めていますので、心当たりのある方は是非!!!!!!!!(@koichil)

 

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*1:実は「スタジオ・パサ」ではなく、コマーシャルフイルム等の制作会社(株)パサとのこと。

*2:サボるな!と言われるかもしれないが、ある程度はTwitterで情報収集をする業務なので問題ないぞ!