汁を染みこませるんだ! ~落書きメモ~

汁を染みこませるんだ! ~落書きメモ~ (2代目)

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星の子ポロンを発掘しよう03


この記事は、前回から続けて書いている。
前回の記事を見てないと、わからない所は出てくるかもしれないがご了承ください。

今回の記事も情報の整理をすると同時に、発掘に関する大きな進展の詳細、そして最後にこれからどうするかという予定を書いて行こうかと思っている。思ったより長くなったので、それは次回の記事で。長いよ、うん。


脚本家・村山節子及びその情報源について

前回の記事では、『星の子ポロン』及び『ガンとゴン』の製作スタッフの名前から何かわからないかという調査の過程で、脚本家の一人である大貫哲義氏と原画担当の鈴木孝夫氏について書かせていただいた。

もう一人の脚本家である村山節子氏についても、調べてみると、ある程度情報は出てくるので、紹介させていただきたい。

同姓同名でヒットする情報はたくさん出てくるが、その中で一番気になったのが、映画脚本家としての村山節子氏であった。



▲「Movie Walker」より

どうやら1955年の『ノンちゃん雲にのる』の時点では新人だったらしい。

僕がこれを調べた時点では、同じ脚本家で近い年代と言っても同姓同名の別人という可能性が非常に高いと思い込み、それ以上の捜索はしていなかった。

そんなある時、Twitterで有志の一人のツイートを発見。

 


どうやら「アニメ作品事典―解説・原作データ付き」という2010年に発刊された書籍の一ページらしい。


▲Amazonでも買えるよ!

てっきり1988年発刊の「TVアニメ25年史」と同じ情報かと最初は思ったのだが、よく見てみると、この『星の子ポロン』の解説文、あまり見慣れない表現ばかりである。

情操教育だの連中だの愛のムチだのツッコミどころ満載だが、問題はそこではない。

最後の一文に注目だ。
なんとこのデータベース的には、『ノンちゃん雲にのる』に脚本として参加していた村山節子=『星の子ポロン』に脚本として参加していた村山節子、みたいなのだ。いや裏付けないけどもこれ…。

一体どういう判断基準で両作品の同じ村山節子氏だと判断したのだろうか?

とりあえずまずは、この書籍のデータベースの情報元を知るべきだろう、と調査を開始…するまでもなくすぐに答えは出た。

有志によるとどうやらこの解説文、ネット上のどこかのサイトで見た文章その物らしかった。言われてみれば俺もどこかで見た事あるぞ…、と思い解説文で検索をかけてみたらすぐに判明。

データベース参照サイト「allcinema ONLINE」より


 なるほど、どうやら「アニメ作品事典―解説・原作データ付き」の編集には「スティングレイ」と「日外アソシエーツ」という企業が関わっているみたいで、そもそも書籍上のデータベース自体、株式会社スティングレイが管理しているデータベースサイトの情報をほぼ引っ張ってきてるらしい。



では、このデータベースサイトの情報自体は一体どこからの調査による物なのか?
それはサイトのすぐ下に書いてあった。(以下スクショ)


そう、どうやらこの解説文の権利はこの株式会社スティングレイが所有しているそうなのだ。(そのままじゃねえか)

とすれば、独自のデータ調査をした「TVアニメ25年史」以外にも、この株式会社スティングレイも独自の調査を行って『星の子ポロン』の情報を得た可能性が考えられる。

もちろん前述の「TVアニメ25年史」の情報を参考に作ったデータベースという可能性も否定はできないが、ともかくこれも問い合わせる価値はありそうだ。




時報映画社は今現在も存在する…!?


第一回の本記事では、『星の子ポロン』『ガンとゴン』の制作会社である時報映画社の跡地と思わしき部屋があったマンションへ、僕が出向いた様子を書かせていただいた。

あの時は、時報映画社はもう既に存在しない物だと断定をしていたので、時報映画社があったと思われる部屋の前で既に他の方の表札があるのを確認できただけで、そのまま帰った。



▲詳しくは、第一回の記事を参照


しかしネットで調査中にとても気になる記事を見つけた。

・幻のアニメ「ガンとゴン」を探せ!の巻 第1回 [市長からの有難いお言葉]
・幻のアニメ「ガンとゴン」を探せ!の巻 第2回 [身ぐるみを剥がし隊・秘密活動報告]
・幻のアニメ「ガンとゴン」を探せ!の巻 第3回 [身ぐるみを剥がし隊・秘密活動報告]
・幻のアニメ「ガンとゴン」を探せ!の巻 第4回 [身ぐるみを剥がし隊・秘密活動報告]


いずれも、裏・市長氏となる方の『ガンとゴン』についての発掘記事である。

一読していただければわかる事だが、なんとこの方は、時報映画社の関係者と思わしき人物とコンタクトを取る事に成功しているそうなのだ。

ちなみにこれらの記事が公開されたのは、2014年の5月~6月頃だ。(後で解説)

(最終回とされる第5回の記事が結局公開されていないみたいなので詳しくは不明だが)
しかも、『ガンとゴン』のフィルムの存在を匂わせる一文も第3回の最後に記されている。

>>ここでプッツリと糸口が切れてしまったのであるが、
>>実はフィルムは意外な所から見つかっている。
>>そもそも、フィルムありきでこの連載がはじまっていたのだ。

文章から推測すると、恐らく第4回の記事に登場する「奈良県のフィルムコレクター」が『ガンとゴン』のフィルムを所持していて、その方と知り合いである裏・市長氏がそこから『ガンとゴン』の存在を知り、上記の記事の執筆に当たる事になったと思われる。そうだよね?


以上、この記事に書かれている事が本当の本当であれば、時報映画社はまだ存在し、2014年時点でコンタクトを取れる状態という事になる。
同時に両作品のほとんどのフィルムが処分されてしまった可能性も高くなってしまったが…。

さらに、第ニ回の本記事でお伝えした通り、『ガンとゴン』のマスターフィルムと思わしき出品物がヤフオクで落札された事が確認された。





このオークション、入札が開始されたのは「2014年6月1日」となっている。

そして、『ガンとゴン』についての発掘記事が公開されたのは「2014年5月~6月頃」。

…僕はこれを偶然だと思うのは難しいと思っている。

『ガンとゴン』のフィルムを巡る動きが、この期間に集中しているのには何かしら因果関係があるのではないだろうか…?いや、やはり偶然なのか…?

が、しかし!記事の最後にはこんな一文が記されていた。

>>■この記事はフィクションであり、実在の人物、団体、企業とは一切
>> 関係はございません。ご了承ください。

…残念ながら、こちらのブログ主とこちらから
連絡を取る手段は今のところ確認できていない。
是非記事の真偽を確かめたいところである。

それにしても2014年って…、もうちょっと早めに発掘を始めていれば、よりいい進展になったのに…。



結局、時報映画社ってまだ存在するの?


…それがわかれば苦労しない、と言いたいところだが、上記の記事を参照してみると、やはりまだ時報映画社は存在するのではないか?と思ってしまう。

第一回の本記事では、勝手に「時報映画社はもう存在しない」と決めつけてしまったが、ある時いつもの有志から、「こんな方法があるよ」というアドバイスをいただいた。

その方法というのが、「登記事項証明書の交付申請」である。

 「登記事項証明書」ってなんぞや?っていう詳しい説明は僕自身もよくわかっていないので、Wikipediaの当該記事に任せるとして、まぁざっくり簡単に言うと「法務局で交付してもらえる、法人やら土地やらの情報が書かれた証明書」だと思ってくれれば良いと思う、多分。

会社設立の際に登記申請は必須との事なので、登記システムが発足して以降に時報映画社が何かしら登記事項に変更を加えていた場合、もしかしたらデータベースに情報が残っているとの事。

有志の調査により、第一回の本記事で出向いた時報映画社の跡地と思われる会社が、法人番号で登録されている事も確認。

もちろん、この時報映画社が『星の子ポロン』『ガンとゴン』を製作した時報映画社という裏付けはないのだが、登記事項のデータベースに「目的区(ざっくり言うと、どういった活動をしているか)」が載ってれば少し裏付けが取れると思うのだ。

そして、重要なのはこの登記事項証明書は僕みたいな一般人でも法務局に行けば交付申請ができるという事である。

こんな上手い話はないだろう、と思い情報を得た次の日に早速決行。

社会経験が少ない僕にはかなり難易度の高い事だったので、法務局に着いた後はまずスタッフの方々に色々質問をさせていただいた。ご迷惑をおかけしました…。

今回交付申請したのは、時報映画社の「全部事項証明書」と「閉鎖事項証明書」である。これらが何なのかは漠然とした感じでわかっているつもりだが、上手く説明できない…。
ともかくこの二つがあればデータベースに残っている時報映画社の全てがわかるのである。

一つ交付申請するのに、\600の料金が発生する。
今回の場合、「全部事項証明書」と「閉鎖事項証明書」を交付申請したので、計\1200かかった。
僕からすれば屁でもない出費である。むしろ僕からしたら「星の子ポロン関連グッズ」みたいなもんだ。


というわけで、長々と書いたが時報映画社(仮)の登記事項証明書を発行してもらった。
合計三枚、デカデカと表示します。


▲1/3 履歴事項全部証明書

▲2/3 履歴事項全部証明書

▲3/3 閉鎖事項全部証明書

データベースに残ってる情報はこれで全てであった。
それでは、千葉県にある時報映画社(仮)が、『星の子ポロン』『ガンとゴン』を製作した時報映画社と関連した企業だという事を前提に資料を見ていきたい。


まずは目的区。

①ご覧の通りだが、時報映画社が会社名の通り、映画を製作していたという情報はアニメ情報誌にも載っていた。
これはもうそのままだが、「1) 映画の企画並びに製作」と「2) 映画の販売業務」の事であろう。(その映画作品の情報が調べても一切出てこないのは問題であるが…)





▲記憶のかさブタ掲示板より

こちらは当時時報映画社に勤務されていたという方の書き込みである。
そこには、「ガンプラの最初のTVCMを制作したそうです」という一文が…。



最初の劇場版の時期となるとこれだろうか…?
「3) 広告宣伝の取り扱い業務」に関係していると考えたいが、この広告宣伝が果たしてガンプラCMのような映像作品の事を指しているのかは不明である。

ちなみに、第一回の本記事で僕が出向いた時報映画社(跡地?)は千葉県にある。
80年代後半という時期に千葉テレビに『星の子ポロン』の16mmフィルムを貸出していたという証言ともしかしたら関係があるかもしれない。あーでも宅急便か…。

③「アニメ作品事典」には「ニュース映画などを手がけた時報映画社」という一文がある。
「4) テレビ、ラジオ番組の企画並びに製作及びその付帯業務」がそれに当たると僕は考えている。
ただし、このニュース映画も調べても情報が出てこない…。

④「5) 映像並びに音声ソフトの企画及び製作」「6) 映像並びに音声ソフト賃貸及び販売に関わる一切の業務」
まず「映像」というのが範囲が広すぎて何を指しているのかはわからない。
やろうと思えば、実写映画もアニメ作品もCM作品もこれに含める事ができてしまう。

「8) コンピューター関連機器に附帯するシステムの開発及び製作」というのも全く見当が付かない!
時報映画社は、交通安全教育映画をメインに作っていたらしいが、もしかしたら交通安全プログラム的な何かを音声ソフトと共にどこかに提供をしていたとかそういう勝手な想像しかない。

⑤「7) 雑誌及び刊行物の発行」については、かなり重要な情報かもしれない。
時報映画社がそういった物を発行したという話は聞いた事がないが、国立国会図書館などに行って探せば見つかるかもしれない?
ただ国立国会図書館のHPで検索をかけてみたが特に関連した物は見つからなかった。


次に役員区。
そこには、代表取締役の男性と取締役の女性だけの名前が記されている。

少ない…あまりにも少ない!

画像だとモザイク加工してあるので判別できないが、実はこの両者の苗字は一緒である(!)

しかも両者の住所は共に、この時報映画社所在地と同一の物である。

普通に考えるなら、時報映画社としての一室を夫婦で住居として使用していた事になる…?
法務局の方に聞いてみたところ、同じ考えだった。


その他の「株式総数」「資本金」や「出資1口の金額」についての情報も記されているが、僕はあまりこういった事に詳しくない。
しかし登記をした時点で規模はあまり大きくないというのはわかる。


最後に日付などを見てみよう。
「会社設立の年月日」は「平成10年(1998)3月2日」とされている。

…んん???????おかしいぞ??????
1974年頃に『星の子ポロン』を放映していたなら、それより前の年月日に会社が設立されていないとおかしい!
業務内容の規模に反して社員が二人しかいないのも不自然であるので、まさか…一回解体して平成10年に設立し直した…?

他にも「平成18年(2006)5月1日登記」とされているので、少なくともこの年月日には、この時報映画社が存在していた事になるはずである。

事項証明書から得られる確実な時系列だけをまとめると、

1998年3月2日 : 「有限会社時報映画社」設立
2004年1月13日:  移記(紙の登記簿からコンピュータに「登記          事項」を移す事)
2006年5月1日 :  再登記(更新?)


こういう事になる。


以上。
結局のところ、「時報映画社ってまだ存在するの?2006年時点ではまだあったんだよね?」という疑問に戻ってしまうが、僕はまだ存在する可能性が非常に高いと思っている。
先に書いておかなかったが、実はこの社員両名の苗字はマンションの該当部屋の表札に書かれている名前○○と同一の物なのだ。

第一回の本記事時点では、てっきり時報映画社はもう無くなっていて、そこに表札にあった名前は後から来た無関係の住人の名前だと勝手に思っていた。
だって企業としてまだ少なからず活動してるなら表札には企業名が記されていると思うじゃん…普通…。
ここで実はそうではなかったという可能性が非常に高まった!


▲これだよこれ…ひでえ文章だ

要するに、僕の見立てでは、この○○という夫婦の方々が時報映画社を再設立し、住居として千葉県にあるマンションの一室を現在進行形で使用している可能性が高いとふんでいる。

先にも説明させていただいた、裏・市長氏の『ガンとゴン』の発掘記事の情報とも矛盾しないしね!

そう、前回出向いた時点でやろうと思えば、訪ねて質問する事だってできたのである。

これはもったいない、という事で、近日中に再度時報映画社(跡地じゃなくなったかもしれない)に出向こうかと思っている!やるしかない!

ただ、アポもなしで、いきなり訪問するのはすごい失礼ではないだろうか?
でも連絡手段ないし、どうしようかと思った。

そこで、有志の方から「手紙でアポを取るのはどうだろうか?」というアドバイスをいただいた。
なるほど…!ネットに毒された俺にはそんな簡単な方法全く思いつかなかったぜ…!




今回の記事は以上。
まとめると

・発掘に関する新たな切り口の発見
・有限会社時報映画社はまだ存在する可能性が高い!連絡も取れるかもしれない!


といった所である。
これは結構大きな進捗だ。

しかしながら、もし千葉県にある時報映画社が我々の求めている時報映画社と関係がなかったら、苦労も虚しく振り出しに一気に戻ってしまう。
さらに仮に我々の求めている時報映画社だとしても、アポが取れなかったり、裏・市長氏のアポと同じように「フィルムは処分しました(無慈悲)」と告げられたら僕は絶望で漏らしてしまうかもしれない。

どちらにせよ前に進まなければ、始まらない事である。

次回の記事では、今までに集まった情報や推測から今後どうするかという事をまとめてみたいと思っている。

なので調査記事というよりは、自分用のまとめメモに近い感じになると思う。
あと、アニメーション制作部門である「日本動画」の事も…。

それではまたお会いしましょう。




(星の子ポロンなどに関する情報、待ってます。)


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